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従来技術と新型技術の概要

 

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実証データ

◎ 性能:従来に対し、10倍以上の性能であることが熱応答試験によって実証されました。

(熱交換量は、熱交換器循環水温度と熱交換器周囲との温度との差によって、比例して増加・減少します。従って、循環水温度の上昇値から熱交換量の性能を比較することができます。)

(実証試験の概要)

試験装置に水タンクがあります。この水タンクにヒーターがあり、ヒーターに電気を通すと、発熱し、タンク内の水が温まります。これを循環ポンプにて地中熱熱交換器に送ります。

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もし、地中熱温度上昇値の比較熱交換器から地中へ熱が伝わりにくいと、地中へ熱が出ていかないので、どんどん水温は上がっていきます。

もし、地中熱熱交換器から地中へ熱が伝わりやすいと、熱が出ていくので、水温は上がりにくくなります。すなわち、水温が上がりにくい方が、性能が良いということになります。

この試験は、水温が上がるかどうかを見て、熱交換性能がいいか悪いかを調べる試験です。

(実証の結果)

8時間連続負荷時の温度上昇値を比較します。

従来型(グラフ赤)、80.86℃の温度上昇に対し、新型(グラフ黒)は5.60℃の温度上昇です。従って、温度上昇値で比較すると、80.86/5.60=14.4倍となり、10倍上の性能であることが、実証できました。

超ローテク技術

 

1.構造

(1) 構造図 : 従来比10倍以上の性能かつ非常にシンプルな構造

従来、ポリエチレン製直径34mmに対し、新型鋼管製(中空)直径1mにしました。地中熱熱交換器は、地下約3mから5mのところに水平方向に傾斜設置します。少し傾けて設置します。入口管、出口管は中央から少し上下にずらした位置に設けます。この発明により、太管内部の温度むらを極力小さくし、地中との熱交換量を増やすことができました。

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材質 : 鋼管製

直径 : 1m

傾斜設置により対流が生じる。

入口管と出口管の位置がずれたことにより、

クロスフロー、渦が発生する。

(2)周囲をコンクリートで囲って埋める。

      このことによりエアーポケットを除去し、熱伝導率の低下を防いだ。

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(従来)砂による埋め戻し、空隙発生              ⇒ (新型) コンクリートによる埋め戻し、空隙除去し、

のため、熱交換性能を悪くしている。             熱交換性能を維持した。

2.超ローテク製作と据付

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地中熱熱交換器

写真 左:新型  直径500mの場合、鋼管(中は中空、リブや小径管はありません)

写真 右:従来型 直径34mm、高密度ポリエチレン製

(1)超ローテクな製作・据付手順

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町の鉄工所にて製作。その後、町の水道工事業者が据付。

1) 町の鉄工所で製作。中空鋼管に6つの部材を溶接して製作。

2) ショベルカーにて水平方向に掘削(深さ3m)

3) 掘削孔に熱交換器を据付 

4) コンクリートでカバーする 

5) 砂で覆う

(2)従来の方式との相違

 

1)掘削方法と据付方法

    従来の代表的な方法は、垂直方式ボアホール構造です。温泉等を掘削するボーリングマシ

    ンを使用して、掘削します。   

​    ボーリングの専門業者が掘削していましたが、新型はショベルカーでの掘削ですので、管

    工事業者さんも据付ができます。

2)熱交換器内部の循環液

  従来は、温度差を大きくする必要があるため、暖房時には循環水温度を氷点下(この分、

    省エネ性も劣ります)になることがあります。このため、不凍液(油)を使用しています。

    新型は、温度差を大きくする必要がないため、暖房時でも循環水温度を氷点下になること

    はありません。従って、不凍液ではなく、水道水を使用します。

3)ヒートポンプ

  従来は、循環水に不凍液(油)を使用しているため、地中熱専用のヒートポンプを使用しな

    ければなりませんでした。地中熱は初期費用が高いため、ヒートポンプの生産台数も少ない

    ため、ヒートポンプの費用も高額でした。

     一方、新型は、水道水を使用します。このため、新型地中熱においては、大型ビル等で使

    用されている水熱源ビル用マルチエアコンを使用します。このヒートポンプは大量に世界的

    に製作されているため、市場の競争に晒されているいるため、 リーズナブルな価格になっ

    ています。ヒートポンプ費用も低く抑えることができます。

4)ヘッダー等の流路損失

  従来は、100m深さの掘削を何本も必要であるため、水路の流路長さによる損失、配管を何

    本も組むヘッダーによる損失があり、省エネ性を下げていました。

     新型は、深さ3~5m程度と流路長さも短く、ヘッダー数も従来の1/4程度になるため、配管

    製作工数も大きく低減し、かつ流路損失も非常に少なくなり、省エネ性を向上させることが

    できます。

 

3.超ローテクによる利点

(1) ハイテク設備・機械、ハイテク工場、ハイテク作業者を必要としません。

(2) 世界中で、価格の安い水熱源ヒートポンプを使用することができます。

(3) 少ない投資で、ローリスクに地中熱事業を行うことができます。

(4) 途上国の事業者でも自国内の技術でこの事業を行うことができますので、途上国の経済発

    展が見込まれます。

(5) グローバルな事業展開が容易で、かつ多くの人が参加できるため、同時進行が可能とな

    り、普及が速まります。

(6) コンクリートで覆い、地中に埋設する構造のため、腐食等は軽微、また災害に強く、製品寿

    命は建築物よりも長く、100年以上とも考えられます。

 

この超ローテク技術により、地中熱をグローバルに展開し、パートナーとともに、経済発展と脱炭素社会構築を目指します。

性能

ランニングコストの低減

地中熱熱交換器はヒートポンプに接続されて使用されることが多い。このため、ヒートポンプに接続した場合の省エネ性について、検討します。

ヒートポンプの性能を表す指標として、COP(=冷暖房出力/消費電力)があります。COPの大きい方が消費電力が少なく、省エネ性が優れていることになります。

(COPの検討)

日本における地中温度は一般的に約15℃です。従って、運転開始時の循環水温度は15℃です。8時間運転後においては、実証試験結果により、新型地中熱熱交換器の温度上昇値は約5℃です。

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(COP結果)

定格運転時(青色カーブ) : 平均COP11.6

運転開始時  (水温15℃) COP14.2

8時間運転後  (水温20℃) COP 8.9

新型地中熱熱交換器は、温度上昇が非常にゆっくりとなだらかなため、

最小周波数で運転することが可能です。

最小周波数運転時(青色カーブ) : 平均COP14.1

運転開始時   (水温15℃) COP16.0

8時間運転後  (水温20℃) COP12.2

従来は、水温32℃以上で使用されるため、COP3~4と言われています。また、一般のエアコンは外気温との熱交換のため、35℃以上となり、さらにCOPが低下しています。従って、新型熱交換においては、COPは従来の倍以上となり、ランニングコストは50%以下となります。

尚、地域によって、地中温度は異なっています。従って、地域によって、COPは上記検討結果の数値とは異なります。

環境への配慮

1.不凍液 油 ⇒ 水 にしました。

2.熱交換器 高密度ポリエチレン ⇒ 鋼管 にしました。

2.冷暖房による熱風、冷風を空気中に放出しません。

 

安全性への対処

1.使用圧力は低く、爆発・噴出等の可能性は極力低くなっています。

2.使用温度は0℃~40℃と常温に近い温度での使用のため、危険は極力低くなっています。

3.コンクリートによる地下埋設のため、人が近づくことはできません。

 

特許

1.国内特許は取得済です。

2.国際特許は出願中です。

3.特許の国際出願における国際調査機関の評価・見解

(1)国際調査報告

    関連すると認められる文献はすべて引用文献カテゴリー「A」である。

     「A」:特に関連のある文献ではなく、一般的技術水準を示すもの

(2)国際調査機関の見解書

1)見解

     新規性(N):有

     進歩性(IS):有

     産業上の利用可能性(IA):有

2)文献及び説明

     請求項に係る発明は、国際調査報告書で引用されたいずれの文献にも記載

     されておらず、当業者にとって、自明なものではない。

     いずれの文献にも、請求項に係る発明の・・・の点が記載されておらず、請求

     項に係る発明は・・・ことによって、熱交換器の伝熱量が飛躍的に増大するとい

     う有利な効果を発揮する。

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